郵便局の自爆営業。違法性と問題点の考察

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郵便ポスト郵政民営化から8年経ち、郵便局もすっかり利潤を求める体質に変わりました。これ自体が悪いことではありませんが、近年殊更問題となっていることとして「自爆営業」というものがあります。

「自爆営業」というのは、販売ノルマを課せられた営業の契約・派遣社員が、ノルマ分の販売を完遂することが出来ず、残った分を自分で買い取ることによってノルマを達成させるというものです。郵便局では主に年賀状で行われています。

ここでは、この「自爆営業」には「違法性」がないのか、ということと、真なる「問題点」は何かということについて踏み込んでいきたいと思います。

違法性の有無

では、まずそもそも「自爆営業」が違法ではないのか?ということについて考えていきたいと思います。勿論、ここで違法を疑う対象は営業の労働者ではなく、郵便局の方です。

郵便局が自爆営業によって違法を問われる可能性があるのは「労働基準法」の二十四条です。

(賃金の支払)
第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

つまり、自爆営業は賃金の一部を買い取りの商品で支払っているとされる可能性がある、ということです。郵便局の場合は、年賀状が給料の一部の現物支給扱いとして見られた場合、労働基準法第二十四条の違反となります。
ただし、これを立証するためには、郵便局が社員に対して「自爆営業」を強要していたという証明が必要となります。「残った分は買い取れ」、という命令があった証拠があれば勿論のこと、ノルマが達成出来なかった時に厳罰があるといったような書類でも実質義務と認められる可能性もあります。

自爆営業の真の問題点

命令があれば違法となる、ということも勿論大きな問題ではありますが、自爆営業における真の問題点は違法性ではなく、企業体質にあるといえるのではないでしょうか。

そもそも自爆営業をしなければならないのは、年賀状のノルマを売り切る事ができないためです。これは、何も営業の社員の能力が劣っているということではありません。そもそも、ノルマの設定枚数の方が間違っているということです。

年賀状だけではなく、ハガキを出す人というのはインターネットメールの発達に伴って減少の傾向にあります。それなのに、ノルマが枚数も値段も据え置きであれば、当然売り切ることは出来なくなります。アダム・スミスが『国富論』の中で述べているように、物の価格というのは需要と供給によって変化します。需要があるものは値段が上がり、ないものは値段が下がる。かつ、供給が多いものは値段が下がり、少ないものは値段が上がるという価格のメカニズムです。

現在の年賀状は「需要が下がり」「供給が多い」状態にあります。当然、そのままの価格で売り続ければ、売り切ることが出来るものではありません。

民営化により利潤を上げることを目的とするあまり、本来の意味を見失ってしまっていることが、自爆営業の背景にある最大の問題点ではないかと思います。

今後、この自爆営業が防がれるようにするためには、郵便局が自発的に企業体質の改革を行うか、或いはより厳しい法整備を敷くより他に方法はありません。もし、現在自爆営業を強要されているという人達がいるならば泣き寝入りするのではなく、少なくとも証拠だけは持っておくようにするべきでしょう。

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